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体操競技好きです。米田功選手のファンです。


by hontashibuki
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戦場に乗り込むまで。

なんだか遅くなりまして、ごめんなさい(-人-)
「あと10日もしたら次月号出ちゃうじゃないよー!」…仰るとおりでございます。
VS.(バーサス)5月号、『体操ニッポン復活』のトゥルーストーリー第8話、でございます。
もうすぐ 6月号発売なんですねー(泣ける)。
 ★
最終合宿地フランクフルトに旅立つ時。
選手たちはビジネスクラスで移動。コーチ他スタッフはエコノミークラスで移動。
アテネ以降、主要な国際大会の移動にはこの方法が適用されていると思います。
(その実は確かめたわけではないので何とも言えませんが)
 ★
例え内部から文句が出ようとも、そこのところは「体調管理」と言う名の先行投資。
現場の意見が優先されます。
大会本番で使用される器具の購入もいわば先行投資。
「こんなにも期待されている…」
その『先行投資』までもが選手たちに大なり小なりのプレッシャーを与えたことは推して測ることができるはず。
 ★
でもそこにいる者たちの望むものだけは共通しています。
「オリンピックチャンピオン」の称号…ただ一つ。
 ◆
NHK杯以降、度々行なわれた合宿で彼ら個々の技や意識、チームワークがレベルアップされているのは、その当事者たちが一番自覚できていたでしょう。―それこそ「互いに冗談を言い合える」ほどに。
でも冗談では言い尽くせないほどのプレッシャーがいつ形になって出てもおかしくない状態にあったのも現実。
 ★
苦手と言って憚らない跳馬の強化を自らに課した鹿島選手(苦手だなんてとても思えないのですが…)。
それは跳馬で、アカピアン(伸身カサマツ一回ひねり・価値点9.7)から半分ひねりを加えたドゥリッグス(伸身カサマツ一回半ひねり・価値点9.9)にレベルアップさせること。
蕁麻疹の発作が出たことが、それまでの過程で受けたプレッシャーやストレスの強さを物語っています。
 ★
多分そこまで追い込んだ肉体や心にはビジネスくらいのスペースがあってもいいのだろうと思うのですよ。
選手達が現地に乗り込むまでに必要な束の間の休息。
 ★
代表選手のレベルアップが即ち日本の体操のレベルアップ。なんて刺激的な話なんでしょう。
苦手の克服が一番遠回りだけど一番効率のいい方法だというのは、鹿島選手(跳馬)と水鳥選手(つり輪)の身を削るほどの取り組みが証明してくれています。
チームのための一つの取り組みが個々に一回りも二回りもの成長を促してくれる。
きっとこれが本当のスキルアップなのでしょう。
 ★
チームのためにできる個々の最大限の努力。
このチームのメンバー・スタッフはそれを惜しまない人たちだった。
チームで勝つことは選手だけの、若しくはスタッフだけの努力では叶うはずのないお話。
携わるもの全てが、今自分達(やその競技)が置かれている立場がわかれば、やらなければならないことの扉がそこに現れるのでしょう。後は扉を開ける勇気をもつのみ。
究極のチームプレー、ここに見たり。

――なのにここまでしても、各々に相応の手応えがあったとしても、その真価や成果の程はこの時点では“まだ”わからない。それこそ「本番」が始まって、そして終わるまでは。

戦場は待っている。全てを磨き上げた武器を持つ者達を。
by hontashibuki | 2006-05-06 00:09 | 体操のこと